【武雄記念 2日目レポート】俺たちは“逃げ”で魅せる!直線長い武雄バンクで果敢に攻めた選手たち!

武雄競輪開設76周年記念『大楠賞争奪戦』は開催2日目。直線の長い武雄バンクではあるが、二次予選では自力選手が躍動。そのなかでも、先行で勝ち上がりを決めた3選手をピックアップ。
ド緊張!S班と初連係の谷内健太は「南さんのおかげで残れた」
これからの近畿を背負う先行屋。谷内健太は、その自覚を持って競走に臨んでいる。初日を先行逃げ切りでクリアすると、2日目に待っていたのは、S班南修二との初連係だった。番組を見た谷内は、緊張の面持ちを浮かべていた。
「自分には荷が重いとは思います。でも、こういう番組を組んでもらえるのは、期待してもらっているということ。緊張するけど、ありがたい。出し切るだけですね。自分のやることをやって、あとは南さんにお任せします」
全てを出し切ることを誓って挑んだ9Rの二次予選。別線が叩いた上を打鐘で仕掛けると、力ずくで主導権を奪う。宣言通りの先行だ。番手の南は、車間を切って谷内の頑張りに応える援護。谷内を3着に残したうえで、直線で抜け出して1着の南は「いいピッチだった」と、称えた。ひと通りクールダウンを終えた谷内は、安どした表情でレースを振り返った。

S班との初連係を終えて安堵の表情を見せた谷内健太
「レース前はめちゃくちゃ緊張しましたよ。S班を背負うんだって思うと、プレッシャーがやばかった。でも、落ち着いてレースは見えていたので、そこは良かったです。でも、3着に残ったのは、すべて南さんのおかげだと思います」
昨年の9月にS級へ特別昇級した谷内は、これまで3度グレードレースを走っているが、その全てが33バンク。400バンクでの9車立ては今回が初めてだ。さらには武雄バンクも初出走。初めて尽くしのなかで、何かをつかもうと試行錯誤のなかにいる。
「ホームのところはしっかり踏めているんですけど、バックからの踏み直しが甘い。ペダリングが良くないのかな。もうちょっと上から叩くようなイメージのペダリングに修正しないと、踏み直しができない。初日を走って、武雄の直線が長いのはわかったし、そこに対応できるように改善したい」
準決勝は、南との再連係。山崎賢人率いる九州勢が強敵だが、谷内の走りが変わることはない。
中部のホープ志田龍星は偉大な先輩のアドバイスを胸に刻む
浅井康太と人気を集めた二次予選6Rは、内容の濃い走りで別線をシャットアウト。3番手の好ポジションをキープしながらも、志田龍星が果敢に叩いて先行策を披露した。しかしながら、レース後は、浅井のアドバイスもあり、厳しい自己ジャッジに終始。
「展開が良かったです。(仕掛けたポイントは)ラインが3車だったので、3人で決まるにはっていう感じだった。(踏み出したところは)良かったけど、そのあとが良くなかった。ペダリングだったり、ちょっと力んでしまった。(感触は前回より)今回の方がいいですけど、その辺りが(修正してできるようになれば)まただいぶ変わってくると思います」

志田龍星は浅井康太の助言を胸に準決に挑む
これからの中部を背負うホープだからこその浅井の助言。二次予選をクリアすることだけに満足することなく、志田は高みを見据える。
「浅井さんが言っていることができれば、また違ってくると思う。まだ伸びしろがあるんだと。毎回、アドバイスをしてもらっているんで、それを1つ、1つつぶしていきたい。(浅井には)コーナーと直線で同じ踏み方をしているって。それだとロスが大きい。そのロスがなくなれば、後半に余力が残せて、もっと踏み直せるようになると思います」
浅井との再タッグとなった3日目の準決は、S班の眞杉匠に根田空史、東矢圭吾が相手の細切れ戦。「どこに入ってもキツいですから」と、動じることなくメンバーを見やった志田がヤル気になっている。
まさかの突っ張り先行!眞杉匠が追い求める理想の先行とは?
二次予選でもっとも衝撃的だったのは、メインカード12R杉眞杉匠の突っ張り先行だろう。誘導と若干間合いを取った眞杉。別線の上昇に合わせて、誘導退避のギリギリのタイミングで踏み上げると、突っ張り先行を敢行した。「今日はもう突っ張りでした」と、言い切った眞杉。その狙いは何か。
「昨日の悔しさをぶつけて、と思っていた。(先行は)レースでやっていかないと、理想の駆け方にならない。まだ焦りもあって、いい感じで駆けられていない。やっていってモノにできるように。こればっかりはやっていかないと身につかない」
嘉永泰斗を突っ張り切れず、苦肉の分断策に出た初日特選。その悔しさを晴らしたい気持ちがあった。さらに、自身の本来の持ち味である先行。その姿を追い求めての突っ張り先行だった。縦横無尽な走りが板に付いた眞杉ではあるが、もともとは徹底先行でのし上がった若武者。度重なる落車や、年齢による体の変化はあるが、かつてのその姿を取り戻そうともがいている。

眞杉匠は理想の姿を追い求めて突っ張り先行を敢行
「イメージだけでは、やらないと絶対に戻らない。乗り方が徐々に悪い方にいって、練習でも全然ダメになっている。体も変わってしまって、(いいころの)その時にできていたことができなくなっている。いい時の感じに戻して、今に落とし込めれば、その時よりも良くなると思う」
準決勝は、1番車を得ての自力戦。「やるべきことをやって、結果が伴えば」と、S班として結果を追い求めながらも、自身の課題と向き合っていく。